素敵な「おふろcafé utatane」

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埼玉県大宮に、穴場と言っていいサウナがあるんです。お風呂に入る他、ログハウスのサウナ小屋でロウリュを楽しんだりして、フィンランドの文化が味わえる「おふろcafé utatane」のことです。 前の記事で書いた通り、先日フィンランド国営放送にサウナ関係のインタビューを受けたんですが、その時取材の現場となったこのおふろcafé utataneに久しぶりに訪れることになりました。 今回の記事ではじっくりおふろcafé utataneをサウノ屋の読者様にご紹介したいと思います!

utataneの経営者である新谷竹郎さんに、数年前から知り合っています。コロナ禍の前に数回utataneでサウナに入ったこともあります。 utataneのコンセプトはスーパー銭湯や漫画喫茶、ゲストハウスが一緒になった感じで、入場料を払えば居心地のいい館内着に着替え、 喫茶店のソファにくつろいだり、ハンモックで仮眠したり漫画を読んだりお風呂に入ったりすることできます。リストバンドで料理やお飲み物も 購入ができて、お会計は帰る時にまとめて済ませます。お泊まり用の部屋もあります。

若い層で人気があるようです。付き合っているカップルや漫画を読みながらまったりしている友達の連中をたくさん見かけます。そして「うたたね」という名前にふさわしく、 まったり、うとうとしそうな雰囲気でリラックスできます。

新谷さんはフィンランドのことを気に入ってくれているのは、どこ見ても一目瞭然です。 まず、フィンランドをテーマにした内装です。館内に入ると、天井から掛かっているオーロラをイメージしたゆらゆらの生地のアート作品に気を取られます。 他にも、観葉植物には、白樺の幹が混ざっていたり、ロビーの本棚はフィンランド関係の本や雑誌でいっぱいだったり、 販売グッズとして、北欧インテリアやサウナ関係のものが出ていたりだとか。 注意書きや案内にもフィンランド語をちょくちょく見かけます。壁にはフィンランドの道標なども飾ってあり、どこ見てもフィンランドの地名が目に入ります。 さらに、メニューもフィンランドを意識して、ビールの「Lapin Kulta」(これはなぜか海外で受けが良くて、フィンランド国内では最近全く人気が消えています)や 「ロンケロ」(ジンベースのジュース割りのカクテル)、シナモンロール、北欧の料理などがあります。 館内着もフィンランドのテキスタイルブランド「Kauniste」の柄になっていて、宿泊用の部屋にもKaunisteの柄の部屋や、ムーミンをテーマにした部屋があるらしいです。

数年前utataneに行った時、北欧メニューを食べてみたんですが、その感想は、美味しかったですが、100%本格的かというと、そうでもなく、一部の日本で手に入りにくい素材が代用されたりしていました。 例えば、リンゴンベリーはプルーベリーになっていたなどです。今回は北欧お菓子のlaskiaispulla(日本でよくスウェーデン語名で「セムラ」と呼ばれます)を食べてみました。 フィンランド人が慣れているlaskiaispullaとは少し違い、しっとりもちもちとした食感というよりも、さくさくとした感じでした。 もちろん、「本格的なフィンランド料理店だ」という出張はどこにもないので、フィンランドからインスパイアされたものでも十分嬉しいです!

「SAUNAパフフェ」も食べてみた!サウナをイメージした味や材料の面白い組み合わせ。コーヒー味のシロップを小さなロウリュ用の杓子で掛けるんだ!

しかし、サウナはなんと言っても本格的です!utataneのおふろは男性と女性の大浴場があり、その両方の中にログハウスのサウナ小屋が立ってます。サウナの他に露天風呂もあり、そして新着として、なんと エストニアから輸入した樽の形をした予約制の貸切サウナもあります。

サウナ小屋はフィンランドらしくロウリュを楽しむために、入浴者が勝手にお水を掛けられるストーブがあります。ベンチの位置もフィンランド風で、高いです。 ロウリュの仕方の案内が壁に貼ってあります。さらに、ロウリュのタイミングの案内として、砂時計も用意されています。 私たちの経験では、フィンランド風のサウナに慣れていない方は水の掛け方や頻度、量などで迷って、困ってしまうことがあると目撃していますが、 そういった意味で案内がきちんとあって、優しくてよかったなと思いました。 一方、「フィンランド式」にこだわっても、サウナの入り方には「正解」がないと考えていて、全てを案内通りにすればサウナが「マニュアル化」してしまう懸念も少し感じました。 サウナに入りながら育ってきたと言っていい私たちは、「勘」でロウリュをしていますので、誰かに「おい、そのロウリュの仕方は間違ってるよ」と言われたらいくら悲しいかと、 少し妄想もしてしまいました。 幸い、今までそういった経験はしていないので、無駄な懸念かもしれません。

サウナの温度は適切で、ロウリュの湿気が気持ちよかったです。隣の日本式のサウナ室に入って比べてみると、フィンランド風のサウナの湿気のあるロウリュがその特徴だと、肌で感じます。 とはいえ、utataneのドライサウナも完全にドライではなく、ストーブに水がぽたぽた流れる仕掛けがあるんです。「自動ロウリュ」だと書いてあります。「ロウリュ」とはいえ、 フィンランド風のサウナの湿気や波でくるロウリュのきつさと甘さのリズムはドライサウナにはありません。

サウナ小屋の方は、ロウリュがやっぱり気持ちがいいです。改善点をあえて考えてみると、ストーブのパシャーっとした音が少し活気が足りていないと感じました。もしかしてもう少し 火力を足したらより気持ちのいいロウリュができるかもしれません?一方、サウナ内の温度は上記の通り、ちょうどよかったです。ストーブの火力を足せば、サウナの温度がきつくなってしまう恐れもあるので、 下手に調整するのもいけません。 もちろん、温度は好みの問題で、適切だと感じる温度で個人差があります。特に公衆サウナで良いバランスを取るのは難しいでしょう。

お風呂から上がったら、美味しいビールをいただいて、ハンモックでリラックスしてととのいました。いいロウリュを、ありがとうございました!

ハードシードルは日本で滅多に見かけないので、フィンランド産のハッピージョーが飲めて嬉しかった!

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