フィンランド人だけど、テントサウナは張ったことがない?!

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もう初夏になりましたが、前回の年末の過ごし方に続いて、もう少し冬の思い出を振り返ってみたいと思います。

去年の秋の佐賀旅行からずっと自粛ムードで、イベント参加はもちろん、銭湯やサウナ施設も控えてきていました。 もはや、サウナに飢えていると言っても過言ではない状態でした。そこで、友達から嬉しい誘いがありました。

「うちの近くの川沿いのところで、少人数でテントサウナをしませんか?」

そりゃ行くでしょう!

コロナ禍でも、フィンランドだったら話が最初から違っていたと思います。なぜなら、フィンランドは個人としてサウナを持っているのが一般的だからです。一軒家はもちろんですが、マンションもお風呂にサウナ室が付いているのは普通の話しです。フィンランドに住んでいた頃は安い学生用のアパートだったから、サウナは無かったのですが、とんでもないくらい贅沢品という意識も特にありませんでした。同年代の友達の一部も持っていたし、せめて実家に帰ったらサウナに入れたのです。

日本はもちろん、マイサウナが普及していません。でも、近年はサウナブームになっていることも事実です。そこで、日本で徐々に普及しているのはテントサウナです。

以前、佐賀県武雄市のサウナイベントに行ってきた報告でも書きましたが、テントサウナはフィンランドでは主流ではありません。その理由は上記でもはや察しがついている読者もいらっしゃるかと思いますが、つまり、建物や室内のサウナが十分あって、テントサウナは多くの人にとって必要ないからです。そして、プルもノーラも日本に引っ越した時、テントサウナの経験もなかったし、正直言って「本物の代用物」という印象しかありませんでした。幸い、日本で色々な場所やメンバーでテントサウナに入って楽しんだことで、テントサウナならではの良さもだんだんわかってきて、改めてサウナ文化の多様性に気付かされました。

テントサウナの良し悪しに就いてはまた別途書きたいと思います。でも今回は友達と一緒の川沿いのテントサウナ体験の報告がメインなので、早速本件に入りましょう!

東京から1時間ちょいくらい離れた、遠くはないけど都内より少し山や森の風景が見られる町の川沿いでした。関東の冬は決してフィンランドや北日本のように寒くはないですが、曇りの日で、少し肌寒い感覚はしました。山から流れた川の水は特に寒そうでした。

テントサウナは友達のお家からカートで運んできたんですが、川沿いに近づくとワクワクしてきました。実はフィンランド人の私たちは、テントサウナを自分で張るのは初めてでした。

幸い、友達は初めてではなかったし、子供の頃ボーイスカウトだったプルもテントサウナはさておき、普通のテントを張るなら経験豊かでした。ペグを打つときは砂利や石っころでゴツゴツした地面で一苦労しましたが、最終的になんとかなりました。

テントサウナを張ってからの感想ですが、テント自体やkiuas(キウアス、サウナを温めるためのストーブ)はもちろんサウナに入るためには欠かせないんですが、他のキャンピング用具も超重要だと実感がわきました。テントサウナっていうのは、フィンランドらしく建物のサウナに入るよりも、キャンピングしながらサウナに入ることですね。

川沿いだという場所で、水で困ることはありませんでした。サウナ(特にフィンランド式)は蒸気を立たせるために水、もしくはお湯が必要不可欠です。ただただ暖かいテントの中で過ごすことではありません。そこでまた考えさせられたのは、キャンピングがてらテントサウナに入るなら、十分の水をどのように確保するかは準備の重要なポイントになりますね。そう考えると場所選びで川沿いが確かにかなり有利になりますね。(因みに、いくら川沿いでも、寒すぎて水風呂入る勇気はありませんでした!)

やー、久しぶりのlöyly(ロウリュ、水をストーブにぶっかけて蒸気を立たせること)は最高でした!なお、普通のサウナなら中々考えられないことですが、ストーブでソーセージなどを焼いたり、サウナの中で食事をしました。こういうのはキャンピングの醍醐味ですね!寒い日はほかほかの焼きソーセージのは最高に美味しかったです。

ここで紹介したいのは、燃料として使っていた籾殻から作られた棒です。初めてみた燃料で面白かったです。その特徴は、燃えるスピードはすごく安定していて、ゆっくり熱を放つことでした。これだとストープの面倒見は楽になると期待できそうですが、残念ながら火力の弱い携帯用のストーブと冬の寒い風が漏れて通るようなテントサウナの組み合わせで、火力が若干足りなかった気がします。夏のテントサウナでまたリベンジしたいと思います。冬はやっぱり火力の強い燃料がいいと改めて気づきました。

そんなこんなで、ロウリュを楽しんだり、食事したりおしゃべりしたり1日を過ごしました。 鬱陶しい曇り空で、冬の寒々とした風でも、暖かいサウナで友達と楽しい一時でした。 人生初めてテントサウナ張ったという素晴らしい経験でした。 誘ってくださって、ありがとうございました!

さぁ、冬のテントサウナ体験の振り返りは以上です。 あの後また緊急事態宣言が発令され、またサウナに飢えている状態です。 終わったらまた入りましょう!

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